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第3学期始業式

2024年1月9日 10時08分
校長室より

第3学期始業式の式辞として、次のような話をさせていただきました。

皆さん、おはようございます。令和6年がスタートして、はや1週間以上が過ぎましたが、この間、能登半島地震、羽田での衝突炎上事故といった、信じられないような出来事が、相次いで起こりました。

ふだん、当たり前だと思っていることが、当たり前でなくなり、いつでもできると思っていることが、できなくなるかもしれない、ということを、改めて実感させられた、年の初めとなりました。

2学期の終業式では、「先延ばし」についてお話ししましたが、「先延ばし」が、人類共通の習性であるとしても、「何事も、いつまでも先延ばしにしてはいけない、その時その時にやるべきこと、その時にしかできないことがある」、ということを、今、改めて感じています。

皆さんにとって、今日から始まる3学期は、各年次のまとめ、3年次生にとっては、高校生活の「総まとめ」の期間です。

と同時に、3学期は、1・2年次生にとっては次の年次への、そして3年次生にとっては新生活への、「準備期間」でもあります。

この3学期に、終わらせておくべきこと、あるいは、新たな準備として始めるべきことは何なのか、優先順位を付け、計画的に取り組みましょう。

私が、昔、担任をしていた時に、クラスの生徒に、「勉強にも部活動にも、フライングはないよ」という話をしていました。

テレビによく出ておられる、「いつやるか、今でしょ」で有名な林先生も、おっしゃっている言葉ですが、何事も早く始めた方が早く目標に到達できますし、到達する時が同じでいいなら、一日当たりにやるべきノルマは少なくて済みます。

例えば、次の年度末考査の勉強を、今日、始めてもいいのです。フライングの反則など、ありません。

逆に言うと、私たちが生きている社会の中で、誰かが「よーいドン」と言ってくれるものの方が少ないのです。社会に出れば、いつ、何をするか、ということを、自分で判断しなくてはなりません。

今のうちに、やるべきことを、やるべき時にやれるよう、訓練しておきましょう。

高校生活の今であれば、先生方もいらっしゃいますので、何をすべきか、アドバイスしてもらうこともできます。迷ったときや、分からないことがあるときには、是非、先生方に相談してみてください。教職員一同、皆さんを、全力で支えていきます。

皆さんの3学期が充実したものとなり、また、そのために、私たち教職員が、役立てることを願って、式辞とします。

第2学期終業式

2023年12月20日 09時58分
校長室より

第2学期終業式の式辞として、次のような話をさせていただきました。

皆さん、おはようございます。

先日、面白いな、と思った新聞記事がありましたので、ちょっと読んでみます。

「万博の開幕まで、あと500日」「腰の重かった政府もやっと取り組む姿勢」「参加48か国のうち、展示館の建設に取り掛かったのは、わずか4か国」「物価上昇で建設費が上がり、当初の計画がしぼむ」

といった内容なのですが、これは、先月末に、開幕まで500日となった、2025年開催の大阪・関西万博の記事ではありません。

今から50年以上前に開催された、大阪万博の、開幕500日前の記事だそうです。

1970年の大阪万博は、高度成長の勢いに乗って、日本中が盛り上がり、大成功に終わった、というイメージがあったので、この記事は意外でした。

そして、この記事は、1970年と2025年に共通しているのは、「先延ばし」であるとした上で、「先延ばし」の習性は、人類に共通のものだ、というカナダの学者の研究を紹介しています。その研究によると、

「私たち人類の脳は、食べたい時に食べて眠りたい時に眠る、といった、欲求に従って行動していた時代に設計されている。その後、農業が始まり、春には種をまき、秋には作物を刈り取るという「締め切り」ができたが、私たちの脳は、「締め切り」を守るように設計されていないので、どうしても物事を「先延ばし」にしてしまう。」

のだそうです。

ただ、この研究者は、だから先延ばしにしてよい、と言っているのではなく、先延ばしによって、莫大な損失が発生している、ということを述べています。

確かに、私自身を振り返っても、バイクの整備や、スマホのプラン見直しなど、先延ばしにしてしまい、それにより、損失が発生してしまっているものが多くあります。時間には限りがあり、やりたいことはいっぱいある中で、どうしても後回しにしてしまうことがあるのは、ある程度、仕方ないとも思いますが、大事なのは、先延ばしにしているものから目をそらさず、やるべきことを整理して、優先順位を付け、少しでも取り掛かってみることではないでしょうか。

そこで私は、この冬休みに、4月から置きっぱなしにしている、引っ越し荷物を片付けることにしました。

皆さんも、この冬休み、先延ばしにしていること、何か一つにチャレンジしてみませんか。それは、勉強かもしれませんし、部活かもしれませんし、疎遠になっている友達に連絡を取ることかもしれません。 

それが何であっても、皆さん一人一人が、何か一つに取り掛かれば、全体として250ものチャレンジが、なされることになります。

皆さんのチャレンジにより、この川高が、ますます活気ある学校となり、着実に前進していくことを期待して、式辞とします。

第2学期校内球技大会

2023年12月13日 15時47分
校長室より

12月13日に実施された校内球技大会で、次のような趣旨の挨拶をさせていただきました。

【開会式】

皆さん、おはようございます。今日は、第2学期の、校内球技大会です。

1学期の球技大会が、新型コロナ感染症拡大の影響で実施できませんでしたので、今日、予定通り、校内球技大会を開催できることを、とてもうれしく思います。

さて、球技大会は、クラス同士で競い合い、勝利を目指す行事であることはもちろんですが、競技を通じて、クラスの仲間との友情を深めるとともに、相手のチームやルールを尊重する、という態度を養うための行事でもあります。

本日は、審判の指示にはきちんと従って、道具も大切にしながらプレーしましょう。

応援する際にも、マナーを守り、相手を思いやる気持ちを忘れないようにしてください。

そのことが、皆さんの、ケガや事故の防止にも、つながってくると思います。

今日の球技大会が、皆さんにとって楽しく、思い出に残るものとなることを期待して、開会のあいさつとします。

【閉会式】

皆さん、一日、お疲れさまでした。

開会式では、皆さんに、楽しく、思い出に残る大会にしてください、とお願いしました。

私自身、皆さんが熱戦を繰り広げるのを見ながら、高校時代に、クラスマッチでの優勝を目指して、放課後、クラスの仲間と自主練習に励んだことを、懐かしく思い出しました。

他の先生方とも少しお話をしましたが、それぞれ、高校時代の球技大会には、楽しい思い出があるようでした。

先ほど、表彰されたチームの皆さんにとっても、また、惜しくも、表彰を逃したチームの皆さんにとっても、全力でプレーした今日の一日が、よい、思い出となることを願っています。

そして、今日の大会で、より強くなったチームワークとクラスの団結力を、今後の高校生活に生かしてほしいと思います。

最後になりましたが、球技大会の準備と運営に尽力してくれた、生徒会や体育委員の皆さん、先生方に感謝申し上げて、講評とします。

川高祭

2023年11月7日 08時40分
校長室より

11月3日に開催された川高祭の開会式と閉会式で、次のような趣旨の挨拶をさせていただきました。

【開会式】

生徒の皆さん、おはようございます。いよいよ川高祭が始まります。

今週、初めにあった学校訪問では、本校を訪れた多くの先生方に、皆さんの日頃の成果を見てもらい、川高のよさを知っていただくことができました。他校の先生方から、「さわやかな挨拶ができ、授業や清掃にも精一杯取り組む、いい生徒さんたちですね」、との言葉をいただき、本当にうれしく思いました。

今日の川高祭では、多くの保護者や地域の方々が本校にいらっしゃいます。先日に引き続き、川高と、川高生のよさを、多くの保護者、地域の方々に知っていただく一日になればいいなと期待しています。

そして、本日御来場の皆さま、川高祭にようこそおいでくださいました。本日の川高祭のために、生徒たちは、各部活動や年次、生徒会や委員会、家庭クラブや農業クラブ、などで、協力し合いながら、御来場の皆様に楽しんでいただけるよう準備をしてまいりました。

是非、楽しんでいただき、お言葉もかけていただければ、励みにもなると思いますので、よろしくお願いいたします。

本日の川高祭が、みんなにとって、よい思い出の一日となることを期待して、挨拶とします。

 

【閉会式】

みなさん、川高祭、楽しめたでしょうか。

最初の発表会も、その後の展示や模擬店、体験などの催し物も、観る人や参加する人に、「楽しんでもらおう」、とする意欲や工夫が感じられる、とてもすばらしいものでした。

何かをやろうとするときに、その何かをやる側、自分たちの側だけでなく、その何かを受け取る側、相手側のことを考えながら、取り組むのは、とても大切なことだと思います。

また、そうすることで、何かイベントなどに、参加する側になった時にも、その準備をしてくれた人たちのことを考えることができるようになり、イベントなどを、より楽しむことができるようになるのではないでしょうか。

川高祭、私は初めての参加でしたが、心から楽しむことができました。

今日の川高祭を、素晴らしいものにしてくれた、生徒の皆さん、保護者や地域の方々に、心からお礼を申し上げ、講評とさせていただきます。

本日は、ありがとうございました。

修学旅行結団式

2023年10月17日 07時50分
校長室より

修学旅行の結団式で(当日、不在でしたので)、次のような話を伝えていただきました。

 皆さん、いよいよ修学旅行ですね。

 「保護者の方などへの感謝の気持ち」「時間やルールを守ることの大切さ」「行動をともにする友人への思いやり」などについては、これまでにもお話があったと思いますので、私からは一言だけ。

 皆さん、修学旅行では、それぞれ楽しみにしていることがあると思いますが、旅行中、そこから少し視野を広げて、いろいろなものを見てきてください。

 私が特に見てきてほしいのは、「人」です。都会、特に東京では、いろいろな人が、いろいろな姿や服装で、地方にはないような仕事をしたり、趣味を楽しんだり、あるいは何もしていなかったりしています。それぞれが、それぞれの生き方をしていいのだな、ということが、とても分かりやすく、目で見て感じられると思います。

 皆さんは、これから進路を決めたり、いったん決めた進路を変更したり、さらには人間関係や生き方で悩んだりすることがあると思いますが、その時に、「こうでなくてはいけない」という一つの考え方に追い込まれ過ぎず、力を抜いて考えるということは、とても大切な心の持ち方です。 

 いろいろな人を見ることで、皆さんの心の弾力のようなものが、少し強くなってくれればいいなと思っていますし、期待しています。

生徒会役員及び家庭クラブ役員任命式

2023年9月22日 09時44分
校長室より

新しい生徒会役員と家庭クラブ役員の任命式で、次のようなお話をさせていただきました。

 皆さん、おはようございます。ただいま、生徒会、家庭クラブの、新役員の任命を行いました。

 生徒会も、家庭クラブも、どちらも、生徒の皆さん自身が、皆さん自身で、学校生活を、よりよいものにしていくための組織であり、活動です。そして、そのリーダーとして、様々な活動や行事を、中心となって企画し、運営を行ってくれているのが、生徒会と、家庭クラブの役員の皆さんです。

 今日は、新役員の任命式ですが、まずは、これまで、労力を惜しまず、全体のために取り組んでくれた、現、生徒会、家庭クラブの役員の皆さんに、感謝したいと思います。多くの場面で、汗を流して活動してくれている姿に、日々感心していました。ありがとうございました。

 そして、新役員の皆さん。生徒会も、家庭クラブも、1950年代の初めから、70年以上の歴史がある活動です。ということは、皆さんの過去には、現生徒会、家庭クラブも含め、会長さんだけでも、それぞれ70人以上の先輩方が、この川之石高校で、川之石高校を、よりよい学校にしようと頑張ってきたことになります。新役員の皆さんは、先輩方の伝統を受け継ぎながら、自分たちならではの活動に、取り組んでください。

 特に、来年は、本校創立110周年を迎えます。そして本校は、令和8年度に、八幡浜高校、八幡浜工業高校と統合し、新しい形の学校となることが決まっています。新しい校名のアンケートもありました。この、大きな節目を迎える時期に、生徒会、家庭クラブ役員となった皆さんは、やりがいもありますが、大変なことも多いと思います。

 全生徒の皆さんは、新役員の皆さんを、心から応援し、支えてほしいと思います。本校の生徒会、家庭クラブの活動が、新しいリーダーの下、全生徒が取り組む活動として、より素晴らしいものとなることを期待しています。

体育祭

2023年9月5日 16時54分
校長室より

9月2日(土)に開催された体育祭の開会式と閉会式で、次のような趣旨の挨拶をさせていただきました。

【開会式】

皆さん、おはようございます。

本日は、令和5年度体育祭を、保護者の方々、地域の方々にご観覧いただきながら、盛大に開催できますことを、心から嬉しく、また、ありがたく感じています。本当にありがとうございます。

さて、私は、7月にあった体育祭の結団式で、団として、勝利を目指すことはもちろん、団の仲間を思いやる、「やさしさ」を身に付けてほしい、とお願いしました。

団の仲間には、運動競技が、得意な人ばかりいるわけではありません。また、装飾や応援についても、その準備の成果を、本番で100%発揮するのは、とても難しいことです。

うまくいくときも、いかないときもありますが、その時その時、全力を尽くしてがんばった、団の仲間の気持ちを思いやる、「やさしい心」を     忘れないでください。

そして、その「思いやり気持ち」を、自分の団だけでなく、他の団や、審判の人などにも、向けてもらえれば、より素晴らしく、楽しい体育祭になると思います。

生徒の皆さんの活躍に期待するとともに、観客の方々に感謝の気持ちをお伝えして、挨拶といたします。

【閉会式】

皆さん、素晴らしい体育祭でした。心から拍手を送りたいと思います。

体育祭は、

・個人個人の能力を発揮する場でもあり、

・集団としてのチームワークを育む場でもあり、

・また、過去の先輩たちの伝統統を引き継いでいく場でもります。

本日の体育祭では、この意義が、十二分に達成できていたと思います。

この、体育祭という一つの目標に向かって、準備期間から本番まで、みんなが一致団結して頑張った、という貴重な経験の中で、感じたことや学んだことを、明日からの学校生活に生かしてください。

最後になりますが、本日、生徒たちを、温かく見守っていただいた、保護者の方々、地域の方々に、心から感謝申し上げ、閉会の挨拶といたします。

本日は、ありがとうございました。

第2学期始業式

2023年8月25日 10時37分
校長室より

第2学期始業式の式辞として、次のような話をさせていただきました。

 皆さん、おはようございます。

 今日から2学期が始まります。皆さん、夏休みを、どう過ごしましたか。振り返って、「やりきったぞ。」という充実感を感じることができているでしょうか。

 私は、皆さんの夏休み中の頑張りのうち、学校を通したもの、しかもそれを、主に先生方からの報告書という文章でしか知ることができませんが、それでも、補習への出席や、資格取得のための検定試験への挑戦、部活動の大会や練習試合への出場、地域のお祭りなどイベントへの参加、地域の子供たちへのボランティア活動、など、皆さんが、多くの場面で頑張ったことが伝わってきます。

 また、学校や先生方が知らないところで、自主的な勉強やトレーニング、おうちの手伝いや家族の手助けなどで頑張ったぞ、という人もいるでしょう。

 2学期は、1学期からこの夏休みにかけての皆さんの頑張りが、結果として現れ始める時期だと思います。ただ、その結果が、いつ現れるのか、明日なのか、それとも何か月も先なのか、それは誰にも分かりません。

 これは、勉強面でも運動面でも言えることですが、頑張りを、10、20、30と積み重ねたから、その結果も、10、20、30と同じペースで現れてくるかというと、そういうものではありません。

 頑張っても頑張っても、結果が出ない時期が、しばらく続いて、ある時期が来ると、ポンと結果が現れる、そしてまた、頑張っても結果が出ない時期が続いて、またポンと結果が現れる、勉強や運動の成果は、このように、階段のような形で現れてきます。

 もしかすると、皆さんの中には、自分の頑張りが、なかなか結果につながらず、くじけそうになっている人がいるかもしれません。でも、頑張っても結果が出ない時期というのは、その間に、次の段階に進むための力を蓄えている時期なのです。結果として現れないだけで、力は確実に身に付いています。

 自分の頑張りは、自分が一番よく分かると思います。自分の頑張りの結果が現れる日を信じて、日々、やるべきことを、その結果が出る、出ないにかかわらず、やり続けてください。教職員一同、皆さんの頑張りを、全力で支えていきますので、迷ったときは、いつでも頼り、相談してください。

 皆さんの2学期が充実したものとなり、またそのために、私たち教職員が役立てることを願って、式辞とします。

第1学期終業式

2023年7月20日 12時47分
校長室より

第1学期終業式の式辞として、次にような話をさせていただきました。

 

 皆さん、おはようございます。今日は、7月20日、第1学期の終業式です。4月に、1年次生が入学、2・3年次生が進級してから、約4か月、年次の1/3が過ぎました。お正月から数えると、令和5年の、半分以上が過ぎたことになります。  

 よく、コップに半分の水を見て、「半分『も』残っている」と考えるのがポジティブ思考、「半分『しか』残っていない」と考えるのがネガティブ思考、などと言われることがあります。ですが、これに対して、「そのように単純に、ポジティブ・ネガティブと判断することはできない」と言われることもあります。 

 自分ののどは渇いているのか、その水は最初はどれくらい入っていたのか、など、その時の自分や周囲の状況によって、感じ方は変わってきますし、さらに言うと、「も残っている」と考えて何も行動しないのと、「しか残っていない」と考えて新しい水を探す行動を起こすのとでは、どちらがポジティブなのか、という問題にもつながってきます。

  皆さんが、今の年次の残りの期間が、2/3「もある」と考えるのか、「しかない」と考えるのか、ということについても、皆さんに、今、目標があるのか、4月からこれまでの間、その目標に向かって何か取り組んできたのか、目標に近づいているのか、などによって変わってくると思います。ただ、どちらに考えたとしても、言えるのは、それを、「これからの行動に生かせるかどうかが大切だ」、ということではないでしょうか。

 夏休み前に、もう一度、今の自分と周りの状況(これは、部活動への取組状況だったり、1学期の成績だったりといったものですが、)これらをしっかりと見つめなおした上で、今年の初めに、これをやりたいな、とか、この年次では何をしようかな、と思っていたことを、改めて思い出し、それを、夏休み、そしてそれ以降の計画や行動に、生かしてほしいと思います。

 ちなみに、今日、皆さんの前で話をするために、コップ半分の水への考え方について、調べなおしていた時に、「1万時間の法則」というものが、目に留まりましたので、ここで紹介します。

  ある特定の分野で一流になりたい場合、1万時間の練習や実践が必要という理論で、世界的に活躍する一流のビジネスマンやスポーツ選手、アーティストが、成功するまでに積み重ねた練習などが、約1万時間であった、という、いくつかの事例を元に導かれた説だそうです。

 1万時間は、1日1時間であれば約28年、1日3時間であれば約9年、1日8時間であれば約3年半、それぞれかかる計算になります。以外に短いな、やれるかも、と思いませんか。

 と、ポジティブにとらえて、終業式の式辞とします。

PTAだより第52号「ひまらや杉」

2023年7月20日 12時39分
校長室より

7月20日発行の、川之石高校PTAだより第52号「ひまらや杉」に、「成長期は人それぞれ」の題で、次のような文章を掲載させていただきました。

 

 プロ野球の選手やJリーグのサッカー選手には、4~6月生まれが多いという話を聞いたことがあるでしょうか。サッカーのユース代表では、4〜6月生まれと1〜3月生まれで、選ばれた人数に10倍以上の差が出ることもあるということです。

 このことについて、ある研究者が、スポーツにおける生まれ月の影響を調べるため、小学1年〜中学3年の身体・体力測定の記録を、4〜9月生まれ:「前期」、10〜3月生まれ:「後期」として分析したところ、男子は小1〜中3の全学年で、女子も小1〜小4年で、前期の方が後期よりも、身長・体重などの身体特性と、走力・握力などの運動能力の数値が、平均して高いとの結果がでたそうです。

 研究者は、野球やサッカーの選手に前期生まれが多いことについて、前期生まれは幼い時の成功体験や周囲からの高い評価が自信になること、後期生まれはその逆になることの影響があるのでは、と分析していました。

 この話に、私が興味を持っているのは、私自身が、小学生の頃、背も小さく、自分は運動が苦手なのだと強く思っていた経験があるからです。中学生になって、背も伸び、スポーツテストなどで結果が出るようになっても、自分の中では運動が得意という気持ちはなりませんでしたし、その感覚は高校生になっても続きました。ようやく、運動に自信が持てるようになったのは、大学生、教員になってからだったのではないでしょうか。

 私は、幼いころからの成功体験や他人からほめられた経験(失敗した体験やほめてもらえなかった経験)は、大人が思っている以上に、子供に長く影響を与えると感じています。今回の話は、運動面に関するものでしたが、これは勉強面でも同じだと思いますし、また、生まれ月が前期であっても、成長の時期が遅い子供はいるはずです。

 前述の研究者は、「後期生まれの子供は、同学年でなく1つ下の学年と比べてみるなど、きちんと個人の能力を見てあげてほしい」、「自信をなくしてしまった後期生まれの子供に、『あなたに才能がないわけじゃない』と励ましてほしい」、「でないと、子供が持っている能力を開花させるチャンスを逃す可能性もある」と述べています。

 人生100年と言われる時代、子供の成長の時期には差があることを心にとめ、あせらず、長い目で、それぞれのよいところを見出していくことが大切だと考えています。