令和4年度 第3学期始業式 式辞
2023年1月10日 17時59分 1月10日(火)に第3学期始業式を校内放送で行い、式辞として次のような話をいたしました。
明けましておめでとうございます。皆さんが自分らしく輝く一年であることを願っています。
2学期の終業式では、皆さんに実行してもらいたいことを二つ話しました。一つ目は、目の前の人に対して、何気ない振る舞いや表情、言葉遣いや言葉そのものを大事にして、小さな善い行いを心がけるということ。二つ目は、関係がうまくいかない人と一緒に何かを行わなくてはならないとき、相手が変わるのを待つよりも先に、自分の受け止め方を変えてみるということです。この心の持ち方を大事にしていると、自分の気持ちが軽くなります。
さて、児童文学の古典的冒険小説ともいわれる『宝島』という本を知っていますか。1883年に、イギリスの小説家・ロバート・スティーヴンソンによって書かれた作品です。現在の人気漫画『ONE PIECE』と比較されることも多く、皆さんの中には読んだことがある人もいるかもしれません。本校の図書館にも置いてありますので、ぜひ読んでみてください。おもしろくて、物語の世界の中に引きずり込まれます。
そのスティーヴンソンが、次のような言葉を残しています。「毎日を収穫によって判断してはならない。いかに種をまいたかによって判断しなさい」。私たちは何かに取り組みながら、目先の収穫すなわち目に見える結果を求めるあまり、結果が出ないと、やる気を失ったり途中であきらめたりすることさえあります。そのような私たちにスティーヴンソンの言葉は、
○ 種をまかなければ、収穫は得られないこと
○ 今は収穫がなくても、まいた種がいつか実って収穫を得られるかもしれないこと
○ だから一日一日を、その収穫ではなく、どれだけ種をまいたかで判断すべきであること
を語りかけています。そして、スティーヴンソンの、「種をまく」という言葉を、「努力をする」という言葉に置き換えてみてください。そうすると、「毎日を収穫によって判断してはならない。いかに種をまいたかによって判断しなさい」という彼の言葉が、わかりやすく胸の中に染みこんできます。
これからも、皆さん一人ひとりが、感染症対策を十分に行って健康に留意し、自分の夢や進路を実現させようと一生懸命に種をまき続けることを期待して、3学期始業式のあいさつとします。