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令和4年度 第2学期終業式 式辞

2022年12月20日 15時37分

 12月20日(火)に第2学期終業式を校内放送にて行い、式辞として次のような話をいたしました。

 この数日間はとても寒く、昨日、校舎から正門の方角を眺めると、雪の積もった山の姿がいつもよりもはっきりとしていて迫ってくるように見えました。私たちは一人ひとり、ものの見え方や受け止め方が異なります。
 一方で、食料や衣類などの商品を買って暮らす私たちは互いに助け合わなければ生きられず、皆が勝手に自分の欲求だけを満たそうとすれば混乱や争いが生じるので、社会のルールをみんなでつくり、共有し、守る努力をしています。
 このように、一人ひとりの感じ方や考え方、能力などが違う中で常に誰かと関わり合い、折り合いを付け、様々な目的を達成させながら生活しなければならないところにも、いろいろな悩みや不安、不満が生まれてしまう原因があります。例えば、クラスメイトや部活動部員との関係において、仲良く活動すべきだと思っていても、つい自分を他の人と比べて悩んだり、他の人が自分の思いどおりにならずに不安や不満を持ったりするのです。しかも、それを心の中に抱え続けていると、自分自身がとても辛く、場合によっては周りの人の心を傷つける言動をとってしまうことがあります。
 皆さんの中で、自分を誰かと比べてしまい自信が持てずにいる人や、相手との関係をうまく保てずに困っている人はいませんか。そのような人に、特に参考にしてもらいたい、心の持ち方を二つ話します。
 一つ目は、昨年度の卒業式の式辞で話したことですが、目の前の人に対して、何気ない振る舞いや表情、言葉遣いや言葉そのものを大事にするなど、小さな善い行いを心がけるということです。もし、皆さんが誰かに笑顔で言葉をかけたことによって、声をかけられた人の心が明るくなり、その人が少しでも前向きな気持ちになったとすれば、それだけで、皆さんの人生は重要な価値を持ちます。どうか、自信を持って小さな善い行いを続けてください。
 二つ目は、関係がうまくいっていない相手と一緒に何かを行わなくてはならないとき、相手が変わるのを待つのではなく、自分の受け止め方を変えてみるということです。相手なりに一生懸命なのでは、理由があるのでは、問題や課題を抱えているのでは、と相手のことを思うことで、自分の気持ちが冷静になり、やがて自分の言動が変わり、それによって相手との関係がよい方に向かった経験が私にはあります。
 皆さんには、今話したことを参考にしてもらいながら、この冬休みの間に、人との接し方についてじっくりと考えてほしいと思います。感染症対策をはじめ体調には十分に気を付けて、よい年を迎えてください。そして、3学期の始業式で、皆さん全員と元気なあいさつを交わすことを楽しみにしています。