愛媛県立川之石高等学校第73回卒業証書授与式(卒業生に贈る言葉)
2022年3月1日 18時57分 令和4年3月1日(火)、本校体育館で、御来賓と保護者の方々の御臨席のもと、第73回卒業証書授与式を挙行いたしました。厳粛な中にも心温まる卒業式にて、卒業生の皆さんに、次のような話をいたしました。
【式辞】
校庭の木々の芽も膨らみを増し、明るく暖かい春の息吹が感じられる今日の佳き日に、御来賓のPTA会長・宇都宮雅恵様並びに保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和3年度 愛媛県立川之石高等学校 第七十三回卒業証書授与式を挙行できますことは、我々教職員一同の、この上ない喜びであります。厚くお礼を申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました九十九名の皆さん、卒業おめでとうございます。心を込めて拍手を送り、お祝いを申し上げます。また、保護者の皆様には、お子様の御卒業、まことにおめでとうございます。大切に慈しみ育ててこられたお子様が、このように立派に成長され、本日ここに卒業の日を迎えられましたこと、感慨もひとしおのことと拝察いたします。心からお喜びを申し上げます。
さて、高校3年間は、基礎・充実・発展の三つの時期に分けられます。卒業生の皆さんは、充実期の2年次と発展期の3年次に、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。多くの教育活動において様々な制約が余儀なくされ、皆さんの安全・安心のためとはいえ、残念な気持ちになったり、悔しい思いをしたりしたこともあったでしょう。そうした中でも、皆さんは、誰もが経験したことのない困難な状況を冷静に受け止め、自らすべきことや、できることに、進んで丁寧に向き合い、やりがいや楽しみを見出しながら一生懸命に取り組まれました。私はその姿を見て、いつも深く感心し、頼もしく思ってきました。人類の歴史に大きく記されるであろう「コロナ禍」を、たくましく乗り越えてこられた皆さんの、この2年間は、今後の皆さんの人生に必ず生かされる、意義深く貴重な充実・発展期であったといえます。自信を持ち、この経験を糧にして歩み続けてください。
そのような皆さんに、一つだけ話しておきたいことがあります。それは、日々の暮らしの中で、目の前の人に対して、見過ごされそうな小さな善い行いを心がけてほしい、ということです。大きなことよりも小さなことの中に、より大切なものが包み込まれていると思いながら、何気ない振る舞いや表情、言葉遣いや言葉そのものを大事にしてください。例えば、皆さんが誰かに、「こんにちは」とか「ありがとう」と笑顔で言葉をかけたことによって、声をかけられた人の心が明るくなり、その人が少しでも前向きな気持ちになったとすれば、それだけで、皆さんの人生は重要な価値を持ちます。そして、それらの小さな善い行いを心がけることによって、素敵な大人になっていきます。まずは今日、御家族の方に、思いを込めて感謝の気持ちを伝えてください。
終わりになりましたが、保護者の皆様方には、長い間、本校を温かく見守ってくださり、多大なる御支援と御協力を賜りましたこと、重ねて感謝を申し上げます。卒業生の皆さん。様々な学校行事を皆さんと一緒に楽しみ、喜び、感動した思い出は、私にとっての宝物です。本当にありがとうございました。皆さんが、毎日仰ぎ見て来られたヒマラヤスギは、今日の卒業式を祝い、これからも皆さんを見守ってくれるはずです。川之石高校で過ごした3年間を忘れないでください。新しいそれぞれの道を誠実に進んで行かれる皆さんの御多幸と御活躍をお祈りし、式辞といたします。
令和四年三月一日
愛媛県立川之石高等学校長 佐々木 進