総合発表会
2025年3月4日 10時25分総合発表会の開会行事と閉会行事で、次にようなお話をさせていただきました。
【開会行事】
皆さん、おはようございます。
本日は、令和6年度、第27回、川之石高等学校総合発表会を、保護者の方々、地域の方々、また、学校関係者の方々に、御参観いただきながら 開催できますこと、心から嬉しく感じています。
さて、本日の発表会は、南予で唯一の、総合学科である本校にとって、とても大切な行事です。
総合学科は、生徒の皆さんが、自分の個性を伸ばし、主体的に進路を決定し、意欲的に学べるよう、普通科と、農業・商業・工業・福祉などの職業学科に加わる、新しい第3の学科として生まれました。そして、その総合学科の特長ともいえる、大切な取組の一つが、「総合探究」です。1年次生は「産業社会と人間」、2年次生は「総合探究Ⅰ」、3年次生は「総合探究Ⅱ」、の授業の中で、皆さんは、自分の将来像を描き、課題を見つけ、その課題の解決に向けた研究を行います。
今の変化の激しい社会では、日々、新しい問題が起こっており、また新しい問題であるだけに、その解決方法も定まっていないものが、数多くあります。3年間の「総合探究」の取組は、そのような問題に対して、皆さんが、どのような態度で臨むのか、自分自身で考え、決めていくための、訓練の場でもあるのです。そして、その成果を、みんなで共有する場が、この総合発表会です。
本日、代表として発表する生徒の皆さんには、自分の研究に自信を持ち、堂々と発表してもらいたいと思います。
また、参観する生徒の皆さんには、発表内容からはもちろん、発表者の、研究に取り組んだ気持ちや姿勢からも多くのことを学び、自分の研究を 広げたり深めたりする手掛かりとしてほしいと思います。
本日の発表会が、皆さんにとって、貴重な成長の機会となることを期待して、開会のあいさつとします。
【閉会行事】
本日、発表してくれた、1、2、3年次生の代表の皆さん、お疲れさまでした。
最初に、3年次生10名の代表による、「総合探究Ⅱ」の研究発表について感想を述べたいと思います。
どの発表も、「なぜ、それを研究するのか」という課題意識が明確で、また、「研究内容を、どのように表現すれば、皆に伝わりやすいのか」ということを、よく工夫した、「さすがに代表者の発表だ」、という、説得力に富んだものでした。これは、1年次の「産業社会と人間」のライフプランや、2年次の「総合探究Ⅰ」のディベートの取組を通して身に付けた、学びの成果であると感じました。この後、審査結果の発表があり、最優秀、優秀が選ばれますが、誰が選ばれてもおかしくない、レベルの高い発表であったと思います。そしてそれは、今日、発表してくれた、代表者10名以外の皆さんの研究にも、言えるのではないかと思っています。
私は、これまでに、「総合探究Ⅱ」の時間に、各教室で行われた皆さんの発表を、できる限り参観させてもらいました。もちろん、同時に行われているものを、全て見ることはできませんでしたが、今日発表をした代表者以外の一人一人が、しっかりと準備をし、大変立派な発表をしているのを見ることができました。今日、発表してくれた、代表者の皆さんに対してはもちろん、これまで、「産業社会と人間」、「総合探究Ⅰ」、「総合探究Ⅱ」にまじめに取り組み、地道に自分の能力を伸ばしてきた3年次生、全ての皆さんに、拍手を送りたいと思います。
続いて、1・2年次生の、代表者による発表への感想を、述べたいと思います。審査のために、聞けなかった発表については、事前にいただいた原稿を、読ませていただきました。
まず、「産業社会と人間」で、ライフプランを発表してくれた、1年次生、2名の皆さん。二人が、それぞれの夢に向かって、しっかりとしたライフプランを立て、その実現に、強い意志を持って取り組んでいることが伝わってくる内容でした。以前にもお話ししましたが、何も行動しないまま、 学力面や経済面から、自分の夢に限界を設け、あきらめてしまうのは、もったいないと思います。夢に向かう道は、先が見えないという意味で、迷路と似ていますが、迷路も、その場に立ち止まったままでは、選んだ道が正しいのか、それとも行き止まりなのかは分かりません。自分の夢に向かって、まずは一歩、踏み出し、行動してほしいと思います。
次に、「総合探究Ⅰ」で、ディベートの発表をしてくれた、2年次生、3名の皆さん。皆さんが、今の日本社会に関心を持ち、その課題を、自らの問題として取り組んでいることが、伝わってくる内容でした。私は、皆さんが取り組んでいるディベートが、皆さんが生きていく上で、とても大切な、訓練の場になると考えています。ディベートで勝とうと思えば、意見に説得力を持たせるための、根拠が必要です。物事を、うわさや印象だけで判断せず、それが真実なのか、その根拠を確かめるというのは、皆さんが 生きていく上で、大切な姿勢です。また、ディベートで勝とうと思えば、相手の立論や反対尋問を、予想することが必要になってきます。これは、相手の立場に立って物事を考え、その価値観を尊重することにつながります。そして、自分の考え方を見直して、相手の意見や 批判に耐えることができる、よりよいものに改善していくことができるようになるのです。このような意義を持つディベートに、皆さん、これからも積極的に取り組んでほしいと思います。
最後になりましたが、発表会の運営や進行に協力してくれた、生徒の皆さん、先生方に、心からお礼を述べ、講評とします。