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進路の手引き「巻頭言」

2024年7月19日 10時33分
校長室より

進路の手引きの巻頭言として、次のような話を述べさせていただきました。

私は、進路指導は、教職員の仕事の中でも、最も重要な、そして最も責任の重い仕事の一つだと考えています。川之石高校の教職員は、皆さんの進路実現を全力でサポートしていきますので、皆さん自身も、全力で自分の進路実現に取り組んでください。以下、進路について私が思うことを述べてみたいと思います。気になる部分だけでもいいので、読んで参考にしてもらえればと思います。昨年と重なることは省いていますので、よければ昨年のものも読んでみてください。(本校HP「校長室より」に掲載しています。)

○「選ぶことは捨てること」

高校生というのは、卒業後の人生をどのように生きていくのか決める大切な時期です。皆さんは、これまでに様々な選択をしてきたでしょうし、これからもしていくことになろうかと思います。何か一つを選ぶということは、それ以外の選択を捨てるということだとも言えます。進路を選択するということは、大変、重いことです。他人任せにせず、「自分で」しっかりと情報を集め、考え、判断し、決定するようにしましょう。

○「決めるのは調べてから」

就職希望の人も、どんな資格が必要か、その資格を取るために進学するという選択はないか、就職試験の傾向は、などについて調べてみましょう。進学希望の人も、将来の職業を意識して学校を検討し、その職業に必要な資格を取れる学校、学費、入試制度、授業料減免制度、奨学金などについて調べてみましょう。調べないまま、経済面やいわゆる学力面から、自分に限界を設けてしまうのはもったいないと思います。経済面で言うと、国の新しい奨学金(返済不要)が始まりました。進学資金計画のシミュレーションができるWebサイトもあります。学力面で言うと、推薦入試による入学者が5割を超え、一般入試による入学者を上回りました。私立で6割、国立で2割、公立で3割以上が推薦入試で入学しています。国公立の推薦入試のうち、共通テストを課さないものと課すものでは、課さないものの方が1.5倍以上多くなっています。

○「決まれば対策を講じることができる、けど、決まっていなくても大丈夫」 

就職希望先や進学希望先が決まれば、高校在学中に、どのような科目を選択し、どれくらいの成績を取っておくべきか、高校卒業後、すぐに就職すべきか資格取得のために進学すべきか、入社試験や入学試験ではどのような問題が出題されているのか、過去問を入手するにはどうすればいいか、などが決まってきますので、対策を講じやすくなります。しかし、決まっていなくてもできることはあります。決まっていない人は、まずは目の前の勉強や部活動に全力で取り組んでみましょう。それで力がついてくれば、高い山に登ったのと一緒で、見える風景が変わり、より遠い景色(より高い目標)が視野に入ってくるようなるでしょう。それから進路を決めても遅くはありません。焦らず、でも少しずつでも、できることを見つけ前に進んでください。

〇「決めた進路が正しかったかどうか」

進路選択というのは難しいものだと思います。今、自分でしっかりと情報を集め、考え、判断し、決定した進路であったとしても、それが正解であったかどうかの答え合わせは誰もしてくれません。正しかったどうか判断できるのは自分だけでしょうし、判断できるのがいつになるのかは分からないでしょう。逆に言うと、自分で決めた進路を間違っていると言える人は誰もいないということですから、その進路が、自分でしっかりと情報を集め、考え、判断し、決定したものであるならば、自信を持って、目標達成のために全力で努力を続けてください。その努力の成果が実れば、さかのぼって今の進路選択も正解だったと言えることになるのではないでしょうか。今の進路選択が正解になるかどうかは、これからの皆さんの努力次第です。皆さんの今後の努力に期待しています。