平成31年度スタート
2019年4月8日 10時10分始業式式辞
昨年度、3学期の終業式では、北門のベニカナメモチのお話をしました。二十日間で紅が一層深くなり、一段と生長したように感じます。春休み中には学習や部活動にシッカリ取り組み、さらに成長した皆さんに、また元気に会えてうれしく思います。
春休みに、ある有名な女性が初めて日本に来たのを知っていますか。初来日したのは、人権運動家のマララユスフザイさんです。教育が武装勢力によって抑圧されていることをブログで告発したとして、銃撃を受けた方です。
しかしその抑圧に負けず「すべての子供は教育を受ける権利がある」と訴え続けて、ノーベル平和賞を受賞しました。今は21歳ですが、銃撃された時は15歳、そして史上最年少の17歳でのノーベル賞でした。ちょうど皆さんの年齢にあたります。
彼女が日本に来た目的は、「貧困や紛争を防ぐために教育が大切であること、特に女子教育の重要性」を国際会議で訴えるためでした。なんと1億3千万人の女性が学校に通えていないということです。1億3千万人といえば、日本の人口に相当します。
皆さんはこの現状をどう思いますか?自分たちを振り返った時「私は勉強してます」と胸を張って言えるでしょうか。明後日、予定されている課題テストや、いよいよ本格的に始まる専門の授業の準備はできているでしょうか。すでに始まったスタディサポートの進学補習は全力で受けていますか。
進路実現のためには、3年次は1年後の自分、2年次は2年後の理想の自分、その姿を見失わず、結局は今日一日をしっかり取り組むしかないのです。
もうひとつ。マララさんの活動をどう思いますか?皆さんは武装勢力に立ち向かう勇気はありますか?私はそんな大それたことはできません。銃声が響く中でも彼女にそうさせたもの、それは、一言でいえば平等博愛、人権尊重の信念でしょうが、やはり他人を大事にする、人としての優しさ、思いやりの深さがそうさせるのでしょう。
3学期の終業式では、友達や仲間を大事にしてほしいというお話、正岡子規と夏目漱石の話もしました。覚えていますか。
人は認め合うもの、人は尊敬し合うもの、時に競争も必要ですが、足りないところを補い合うものです。新年度の始まりに当り、このことを皆で確認して式辞とします。