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第3学期終業式

2025年3月25日 17時04分
校長室より

第3学期の終業式の式辞として、次のようなお話をさせていただきました。

改めまして、皆さん、おはようございます。今日は3学期の終業式です。

先週は、皆さんが1年間過ごしてきた教室や校舎にワックスがけをして、とてもきれいにしてくれました。昨日は合格発表でしたが、これで令和7年度の新入生を、気持ちよく迎えることができます。一生懸命ワックスがけの作業に取り組む皆さんの姿を見て、改めて川高生の良さを実感しています。

私は、川之石高校に、2年前に赴任してきました。最初に感心したのが、皆さんが廊下ですれ違うたびに、「こんにちは」と挨拶してくれること。次に感心したのが、皆さんが、とてもまじめに清掃に取り組んでくれることでした。

清掃で特に感心したのは、最初に迎えた定期考査、1学期中間考査の期間中の掃除の時間です。それまで勤務してきた学校では、考査中の掃除の時間というと、その日の試験科目のノートや参考書を見るのが優先で、掃除ができていない、という生徒をよく見かけました。それが、川之石高校では、そのような姿を全く見かけなかったのです。そのことを近くにいた先生に話すと、「普通じゃないですか。」と言われ、少し拍子抜けしたことを覚えています。

私は、まじめに掃除に取り組む生徒を普通と言える、この川之石高校の伝統は素晴らしいと思います。4月に入学してくる新入生は、先輩である皆さんの姿を見て学び、出身中学校の生徒から川高生へと変わっていきます。ぜひ、皆さんが先輩たちから受け継いだ川高生の良い伝統を、自分たちで途切れさせることなく、新入生に伝えてあげてください。

最後に、今回、皆さんに、このようなことをお話ししようと思う中で、思い出した哲学者がいるので紹介します。ドイツの哲学者カントは、やりたいことを、やりたいようにやることが自由ではない、と述べました。例えば、「掃除の時間にノートを見たい、だから見る」。これは、「見たい」という欲求によって、自分の行動を決められてしまっているので、自由とは言えない。「ノートは見たいけれど、今は掃除をすべきなので、掃除をする」。これは、見たいという欲求に縛られず、自分が正しいと思った行動できている。これが自由だ、というのがカントの考えです。

明日から春休みとなります。「やりたいこと」と「やるべきこと」を、しっかりと区別して、充実した春休みを過ごし、新学期には、今よりも少し成長した皆さんと会えることを期待して、式辞とします。