雨が紡ぐ色彩の調べ ―「移り気」という名の成長―
しっとりと雨に濡れた若葉は、日に日に深みを増した緑へと姿を変えています。 少し前まで小さな「蓄え」だったアジサイたちも、今、武道場前や事務室前など、キャンパスのいたるところで静かに色づき始めました。
アジサイには「移り気」という花言葉があります。けれど、雨や土の性質を受け止めながら、青から紫へ、そして淡い紅へと変化していく姿は、迷いではなく、環境を受け入れながら成長していく柔らかさのように思えます。 ふと花々を見渡せば、そこに生徒たちの姿が重なります。鮮やかに色づく赤いアジサイには、体育館で元気な声を響かせながらスポーツに励む生徒たちの生命力を。静かに咲く白いアジサイには、教室でペンを握り、そっと自分と向き合う生徒たちの姿が浮かびます。
花は何も語りません。けれど、その姿は見る人に多くを語らせます。昨日とは違う自分を恐れず、少しずつ変わっていくこと。その「移り気」は、未来へ向かう成長の証なのかもしれません。空へ真っ直ぐ伸びるヒマラヤスギが「志」なら、雨に色を深めるアジサイは「心の深まり」。今はまだ、自分がどんな色になるのか迷うこともあるでしょう。けれど、この雨を味方にしながら、いつか自分だけの色を咲かせてほしいと思います。
光と雨が織りなす新緑のキャンパスで、今日も生徒たちを静かに見守っています。
文・写真 かわこう旅人(たびと)